Butterfly only knows.

札幌のデザインマネジメント会社社長のブログです。

川端康成『古都』より

さて、新年度

 12月決算の弊社は1月から新年度(4期目)を迎えました。有言実行、今期達成することをここに表明してしまいます。

社員全員で海外旅行

のっけから福利厚生というのがなんですが、ポイントは「全員で」というところです。円も安いし燃料サーチャージもきついですが、今年は行きますよ。ハワイでいいです。いや、この際グアムでもOK。経営者にとって全社員を海外に連れて行くということは、ある種の(何の?)マイルストーンな気がしています。目標は10月。

新事業「MM」と「C付きSS」を開始

なんのことだかわかりませんが、この2つの事業は会社経営を安定させるための事業で、今できることをしっかりかためて、大きなリスクなく(今あるリソースだけで)新しいサービスを提供しよう、という目標です。ほぼ内容は固まっています。これは最初の四半期に実現させます。

新事業「Uに関するC」

これは新たなチャレンジとなる事業です。サービスを開始するには多くの知識・情報が必要で、今はこれを収集をしている段階です。市場自体が確立されていないのでリスク要素も明確になっていませんが、近い将来において仮定しているいくつかの要素が正解であったら、割と大きなビジネスになるかもしれません。下半期の頭でローンチするつもり。実はもう資金も借りてしまっていたりして。

いかすオフィス

いかすとか言ってる時点で相当いけてない気もしますが、オフィスのブラッシュアップはいつまでも続きます。2007年時点でかなり進化しましたが、より仕事が捗り、打ち合わせもしやすく、お客さんも帰りたがらない(それは困る)オフィスを目指します。まずは第一弾は4月完成予定。

さらなる福利厚生の充実

その前に給料を上げろと言われそうな気もしますが、働きやすい環境をもっと整備したいと思っています。特に健康に関して企業としてできることがあれば積極的に取り入れて行きたいと思います。とりあえずこの頭寒足熱ならぬ頭熱足寒をなんとかしたい。健康診断もメニューを増やして望むことにします。これはゴールなく継続のこと。

合同勉強会の再開

去年何回か行っていた、他社と合同でとあるテーマを掘り下げて知識を深めてみよう、という試み。大人の事情で途中流れておりましたが、再開します。去年は確か、「経済ってなんだ・デザイナーの経済学」とか「CGMってどうよ」とかやったかと思います。直接的に仕事にフィードバックできないような内容でもいいと思っています。2月から月一開催。

自社サイト再考

思うところあって自社サイトは非常に簡素なものとなっています(裏側にすごいシステムが隠されてますが)。新しい事業のこともありますので、すこし整備しようかと思います。新規事業の進捗にもよりますが、7月公開。言い切った。

売上高ふんふんふふふんふん円

さすがに公開できませんが、今年の売上高はこの水準にもっていきたい。とするとひとつきあたりふんふふふん円。20営業日で割るといちにちふふんふん円。こうしてはいられない。

以上今年の12月に達成度合いを報告できればと思います。
よろしくお願いいたします。


♪ Rescue / Hasymo

知らないということを知る

 製品やサービスに関してなにかしらのデザイン案件を頼まれたときに、どの程度掘り下げて知識を得ておくべきであろう。可能な限り知っておくというのが前提ではありますが、現実的にはクライアントと同じレベルまで知識・情報を得ることは不可能に思われます。

内容が難しい場合

 扱うもの、あるいはクライアントの事業内容そのものが高度すぎて完全に理解するには時間がかかりすぎるケース。時間があっても理解できるとは限りませんが。たとえば知識や技術そのものを扱う企業(機関)がクライアントがこれにあたります。弊社のこれまでの例では、大学の研究ユニットや研究組織、先進的な医療分野でのベンチャー立ち上げなどがあげられますが、多くの場合求められるのは、高度で専門的な内容を一般のレベルまでかみ砕いて表現することです。

 まず問題になるのが、「一般のレベル」とはどのレベルなのか。そもそも一般の人とはだれのことなのか。この前提が最初から我々デザイナー側と発注者であるクライアントで異なっていることがありますので、ここをきっちり確認して進める必要があります。塩基配列という言葉を理解する/しないで線を引くこともあれば、可処分所得が500万円以上/未満で線を引くこともあります。多くのクライアントは自社の事業分野の知識を「一般の」人にも求めすぎる嫌いがあります。

 そしてやはり、単純に難しすぎる、という問題です。イオンなんとか交換膜やら高硬度GEL素材の分子構造やDNAのタンパク質がどうのこうのとか。それでなくとも、自分には縁のない業種でのビジネス構造など全く想像の範囲外であり、ましてやそれをかみ砕いてわかりやすく表現する(当然かみ砕くには理解する必要があるので)のはかなりの困難を伴う作業です。

先入観のない斬新な視点での提案が求めらる場合

 よく知らないから言えることというのは存在します。知ってしまうことで、ある方向での可能性を最初から排除して思考してしまいがちです。特に業界(あるいは製品)特有の慣習を前提情報として得た場合、それを無視して考えることは難しいことで、その情報を共有した結果、クライアントがこれまでたどってきた袋小路に入り込む思考の道を仲良くトレースしてしまう可能性があります。これではデザイナーにアウトソースする意味がありません。

 これとは逆に、クライアントが斬新な視点を求めるために情報の提供を意図的に絞る場合もあります(実際ありました)。この場合まったく間違った方向の提案をしてしまうというリスクをデザイナーは(クライアントも)抱えることになります。情報の制限により制約をかさないという方法は、複数のデザイナーに広く案を求めるというケースでは有効ではありますが、期日が迫っているなど、クリティカルな状況ではリスクが大きすぎるかと思います。

知らないということを知る必要性

 知識の総量を100としたら、自分の知識は30である、あるいは40である、ということを認識する必要があります。自分がどこまで知っているかということを、自分自身はもとより、情報を提供する側のクライアントにも把握してもらう必要があります。それにより適切なレベルの情報を提供してもらい、またどこまで踏み込んだ表現ができるのかを把握してもらっておくことで、単純なレベルでの齟齬は排除できるように思います。

 知らないということ、知らない部分の情報を把握してもらっておくことで、例えデザイナーが誤解を含んだなんらかの表現をしたとしても、そこにクライアント側の情報提供に問題があったことがその時点で共有できます。そして次のバージョンではより「一般レベル」にかみ砕いた情報提供ができるはずです。

 重要なのは、一次としてクライアント側から情報提供を受けたら、どこまで理解ができているか、という情報をデザイナー側からフィードバックすることで、ここを曖昧にしたまま進むことはお互いに不要なリスクを抱えることになります。簡単に行うとすれば、ともかく質問を投げかけることと、理解できた情報をデザイナーらしく図で表現して見せることです。特にオリエンテーション時にその場で描く図は、意外に以後の制作物の根幹になったりすることがあります。この図で「理解度のコンセンサス」を確認しておくと、進行がかなり楽になることでしょう。

♪ Toward The Patrol Line / Fantastic Explosion

手帳に悩む。

 ミーティング時のノートパソコンの使い方について以前書きましたが(このエントリー)、これはあくまで議事録ドリブンな会議手法がとれる場合において有効な話で、状況によってはやはり手帳にメモするというスタイルを取らざるを得ないことが往々にしてあります。

 で、この手帳について目下のところ、迷宮を孤独に彷徨うがごとく迷い続けています。ここ数ヶ月で何冊試したでしょうか。いずれもしっくりこない、というか、おおむね手に余すという結果です。

 手帳の役割としては、

といったところが主なものだと思いますが、今のところ手帳を充分に機能させることができていません。

 一番の問題は、スケジュールやGTDをブラウザ上(つまりオンライン上)で管理しているので、それと紙に書かれた情報との整合性の問題。後で改めて入力する手間が発生したり、逆に手帳に書き写したりする手間があり、非常に無駄な気がしますが、この場合、手帳は単なる一時的な記録バッファであり、書ければ何でもいい(チラシの裏でも)わけです。必然的に求められる形態は、比較的に大きめで、罫線なども最小限(あるいは無地)の手帳ということになります。

 そう思い、14cm×20cmサイズの革表紙の手帳(ソメスサドルのオーガナイザー)を一時期使っていましたが、これが、重い。大きい。チラシ裏でもいいものにしては立派すぎて持て余しました。現在は社内でのみ使用するぐらいで、クライアント先には持っていっていません。

 反省を踏まえ、小型のものにチェンジ。丸善オリジナルのシステム手帳にしてみましたが、思いのほか文字が書きにくい。小さいのでどうしても片手で保持しながら書くことになり(新聞記者を想像していただければ。)、どうも打ち合わせというよりはご用聞きスタイルになってしまいます。それにメモ主体の使い方にしては機能が多すぎる。そういうわけで、ほとんど出番無く、終了。

 その後、性懲りもなくMOLESKINの赤を衝動買いしたものの、なんと最初のミーティング時に同じ手帳を使っている人に出会ってしまい、急に使用意欲が0に。仕事用ではなく、プライベートのスケジュール管理と支出記録のための手帳に役割変更しました。

 というわけで、今はたんなるB5の大学ノート最強な状態です。むしろジャポニカでいいぐらいの勢いです。

 どなたか優れものの手帳があったらぜひ教えてください。

    • スリムで、ノートPCと一緒に鞄に入れてもあまり重くなく、かさばらないこと
    • フリーフォーマットでわさわさ書き込めること
    • 後からリファレンスがしやすいこと(付箋は好まない)
    • 同じのを使っている人とかち合う率が低いこと

といったところがリクエストです。


♪ Stella by Starlight / Stan Getz