Butterfly only knows.

札幌のデザインマネジメント会社社長のブログです。

川端康成『古都』より

脱デザイナー宣言

 何かを本気で始めようとするなら、何かを、それも現在の自分にとって重要な何かを辞めなければならない。といった意味の言葉が梅田望夫氏の著作にあった。簡単な話で、入れ物のキャパシティを超えてものは入れられないのだ。新しいものを得るには、古いものを捨てなければならない。

 そういうわけで、デザインの仕事を今期限りでやめることにした。今進行中のものをのぞいて、今後僕自身が「もの」のデザインをすることはない。詭弁のようだが、デザインをやめてデザインマネジメントに、そして何より会社の経営に専念することに決めた。

 多くのデザインプロダクションがそうであるように、弊社もほぼ完全に受注型のプロダクションだ。幸いに多くのクライアントに恵まれ(数えたら40社ほどあった)、だまって口を開けていれば仕事が降ってくる恵まれた状態にはある。6人ほどの小さな会社を維持するには十分なクライアントの数だし、実際次々とオファーされる案件をこなしていくだけで精一杯の状況だ。

 だからこそ、だと思う。だからこそ、今のうちに経営的戦略のもと次の手をうち、新しい「デザイン」を模索しておく必要があると思われる。片手間で出来るほどイージーな話ではないので、現時点でのデザインは後進に譲ってしまうことに決めたのだ。

 過去には美術館の内装デザインや、デパートのインフォメーションデザイン、特殊な精密機械のデザイン、大手企業のCI、食品のパッケージなどをやったこともあるし、プロダクトデザインではグッドデザイン賞をいただいた。全てがよい経験で、今後はこれを糧にデザインマネジメントの仕事を進めていくことになる。

 それとは別に、今現在、手の内には、

  • ユーザビリティの検証プログラム
  • プロダクトデザインのマネジメントシステム
  • ビジネス用のコミュニケーションツール

などの骨格があって、肉付けを待っている。来期はまずこの辺から手をつけていくことになるだろう。

※さて、名刺の肩書きはなんて書こう。要熟考。

♪ Going To A Go Go / Smokey Robinson & The Miracles