Butterfly only knows.

札幌のデザインマネジメント会社社長のブログです。

川端康成『古都』より

WEBビジネスの行く末

 今週は福岡にあるAtelier Bravoへ行ってきました。さっくりいえば自閉症の方を支援する授産施設なのですが、そういう背景とは全く関係なく、素晴らしい作品を次々と生み出す天才的なクリエイターの集団だと思います。
http://www.joy-club.jp/atelier-bravo/

 一応デザインの仕事を長くしていますので「すごい」デザインには耐性があると思うのですが、彼らの作品に対しては一言「すごい」としか言いようがありません。すごいです。降参です。

 ライブペインティングというものがありますが、彼らのそれは本当に「ライブ」で、生きた芸術でした。それに比べればこれまで見てきたライブペインティングなどは、せいぜい手癖仕事か予定調和の産物。

 今そんな彼らと仕事を進めていますが、順調にいけば今年中にリリースとなります。とても楽しみです。


 さて、話はがらりと変わり、昨日「北海道のウェブビジネスについて・意見交換会」を開催いたしました。経営者からフリーの方まで、いろいろな立ち位置の方に集まっていただき、北海道のWEBビジネスの現状と今後について意見交換を行いました。交換というわりには一人でしゃべりすぎたように思いますが、みなさん危機感をもって貴重な時間を共有できたかと思います。

 時間の制約もあり、とりあえず現状キープではまずい、という空気をシェアするところまではできましたが、じゃぁどうする?という肝心の所までは踏み込むことができていません。これは次回以降への宿題となりました。

 どちらかといえば経営視点でのテーマ設定だったこともあり、やはり経営層の方が多めでしたが、個人的にはそういうテーマだからこそデザイナーやエンジニアの方に参加頂きたいと思っています。特にフリーの方に。
 この辺りは微妙な話ですが、ささやかな成功体験のある経営者なんかにこれからの5年間が生き残れると思っていないので、期待するべきはやはり一人ないしふたり程度で、夜中自宅でとんでもないものを日々創っているインディペンデンスな人たちだと思っています。イノベーションのジレンマというのは普通、あるマーケットを抑えた大企業が陥るものですが、極めてミニマムなサイズで我々WEB事業者はイノベーションに対して臆病になっています。
 簡単な例ですが、「いくつかパラメーターを与えるだけで、誰にでも素晴らしくかっこいいデザインのサイトができるWEBサービス・しかもアクセシビリティもばっちり&SEOも抜かりねえっす」みたいなものは、間違いなく有用ですが、間違いなく私の会社では作れません。私自身が失業するからです。

 前回のエントリーで予告した提案というのは、自分でネットサービスを立ち上げてバイアウトして一攫千金を狙っている、今は無名のエンジニア&デザイナーをなにか支援する仕組みを作りませんか、ということです。

 うがった見方ですが、わたしたちが営んでいる事業が一瞬で過去のものになるような破壊的なものを創るであろう人たちを、逆に支援する、ということです。シアトルでは成功したスタートアップが次の起業者たちのために共同でファンドを作ったりしているそうですが、そもそもこちらには成功したスタートアップがないので、その手法は無理です。
 とりあえず開発環境からそのままサービスインできるようなインフラを、無料ないしは安価で提供する「ベータの溜まり場」みたいなサービスを自社では考えています。もしそのサービスからインカムが得られるようになったら、そこからペイバックしてもらうというモデルです。
 他にもいろいろ考えてみます。

 ともかく、昨日イベントに参加頂いた方々に感謝するとともに、今後も継続して動いていけるよう尽力するつもりです。どうもありがとうございました。

♪ (曲名失念) / Talking Heads