Butterfly only knows.

札幌のデザインマネジメント会社社長のブログです。

川端康成『古都』より

試行錯誤、来年も継続

 28日は会社の忘年会でした。油断すると社員数の2倍ぐらいのメンバーになったりしますが(関係各社やクリエイターのみなさん)、今年はしっかり自社のスタッフだけで行いました。ちなみにお店は「むらかみ」でかにしゃぶ→「風味や」でシングルモルト+漬け物という渋い流れ。風味やはスタッフの方のブログが人気ですが、この日もそつのない接客をなさってました。

 さて、経営者としての一年をざっくり振り返ってみます。経営者として、今年のテーマは「仕組み作り」でした。当初思っていたのは1クライアント1担当者(責任者)という体制で、進行管理はもちろん、予算配分も含めた売上管理まで1担当者が責任をもって行うという仕組みでした。メリットとしては、自分のクライアントという意識が持てること、情報が集約することで素早い判断ができて進行が早まること、競争意識が持てること、という想定でいましたが、これは半年程度の試行であまり機能しないことがわかりました。

 まずクライアントのアサインがうまくいかなかったことがあげられます。内容や性向を鑑みて割り振ったつもりではいましたが、結果的にミスマッチがあったと思います。ただ、あくまで結果の話なのでこれは経験値として次に活かせることになると思います。

 それから、スタッフに自分のクライアントであるという意識を持たせることができなかったことが、経営者としての失敗だったと思われます。一般論的に、何かひとかたまりの仕事を丸ごと人に頼む時、頼む立場の人間は最大値の結果を求め(「やってくれるだろう」)、頼まれる立場の人間は最小値の労力を望む(「やらなくていいだろう」)ようです。
 これを全く想定していなかったので、いたるところで問題が発生しました。当然やってくれているだろうと思っていること(例えばスケジュールの管理だったり、返事がないクライアントへの催促だったり、そもそもの案件そのもの!だったりetc)を、全く手をつけていないことが、これまた最悪にも、クライアントからのクレームで判明したこともありました。
 結局のところ、案件を任された方としては押しつけられた程度の認識しかなく、最小限の仕事(もしくは全く何も)でうやむやにしようとしてしまいがちなようで、期待値と結果の乖離があまりに大きく、まったくのやり直しになったケースもあり、これは本当に失敗だったと思います。
 進行管理も含めて任せていましたが、進行管理をしているかどうかの進行管理をすることが、経営者として求められていたと思います。

 次に試みたのは、クライアントとの接点を一元化し、全ての案件の進捗管理も行ってしまうという仕組み。メリットとしては、当然全体として効率がよくなることと、作業スタッフであっても横断的に全社の案件が把握できることがあげられます。
 ただこの方式にも問題があって、まずこの業務を担当する個人の能力に負うところが大きくなってしまうということ。些細なトラフィックもディレクター経由になることで時間を要すること。そして何より、デザイナーが直接コミュニケーションしないことで、確度の高いデザインが出来ない可能性があるということ。
 この仕組みに変えてまだ数ヶ月という段階なので、最終的な判断は保留としますが、工夫の余地はあると思われます。
 何より、1プレーヤーから専業経営者になることを決めて日が浅いので、まだまだ考えるべき事、決めるべき事が多い状況です。当然日々の案件をこなしつつ、よりよい形になるよう検証と修正を繰り返さなければいけないので、まだ試行錯誤の期間は続くと思います。


♪ To Zion / Lauryn Hill