Butterfly only knows.

札幌のデザインマネジメント会社社長のブログです。

川端康成『古都』より

情報断食で生産性は向上するか(Twitterはテトリスか)

 もともとITは生産性の向上に寄与するもの、という思いこみがあった。たしかにストレージをサーバにおいてモバイル環境をきちんと整えたことで、いつでもどこにいても(★1)最低限の仕事はできるようになったし、スタッフ間でおのおののスケジュールをリアルタイムに共有することで、効率的に業務の計画を立てられるようにもなった。わからないこと・知らないことは即座にGoogleWikipediaが教えてくれるし、4年分のメールアーカイブに検索をかければ自身がいつ何をしていたのか、過去の自分自身が教えてくれる。

★1:出張でのったJRの中では無理だった。モニタを見てると5分で気持ち悪くなって・・・

 ここまではITリテラシーがそのまま生産性の向上に結びついていてなんの問題もないように思えるが、2つの困った状況に陥っていることに最近気づいた(本当はかなり以前からうすうす自覚していたはず)。

 ひとつは、意図的に「仕事ができない状況」を作らないと、ついずるずる仕事をしてしまうということ。ノートPCかEM・ONEを常時携帯しているのもよくないが、そういうデバイスがそばにあり、電波が届いているにもかかわらず仕事をしていないと、例えそれが打ち上げの九州博多料理の店内であっても、湯の川温泉の客室露天風呂のあるホテルであっても、「さぼっている」ような後ろめたさが生じるようになってしまっている。
 当たり前だが、そんな状況で効率的な仕事ができるわけがない。

 もうひとつは、日々誕生する新しいサービスを華麗にスルーすることができなくて、かたっぱしからアカウントを作り、試してしまうこと。試してみて面白ければそれなりにはまってしまうし(ITリテラシーの問題ではない気もしてきた)、おかげで画面はAdiumやらSkypeやらTwitterPodやらで埋まりつつある。
 当然のごとく、仕事の効率はだだ下がり。

 生産性の向上の度合いが3だとしたら、反対の作用は1ぐらいで、水前寺清子嬢よりは2倍も効率いいものの、コスト換算してみるのが恐ろしい状況ではあると思う。

 かつて西側諸国の経済活動の停滞を狙って開発されたと噂された最強のトロイの木馬・テトリス。TwitterJaikuなんかはIT系企業限定ではあるが、威力として(持続性は別として)テトリスっぽい気がします。ほどほどにしようかと。


♪ 曲名不明 / ラヴェル(たぶん